バングラデシュでは、路上から「あああいっ」という男の声が聞こえてくることがある。
「おおおいっ」と聞こえることもある。
格別に声を張り上げるのではなく、普通の会話程度の音量。
最初は何かの作業をしている人の穏やかな掛け声だったりするのかと思ったが、どうやらそうではなく。
ダッカへ来てから1年間、いったいこれはなんなのかと思ってきたところ、ついにその発声の現場に遭遇することができた。
近所に用事があって歩く途中、前を行くおっちゃんが「あああいっ」をやったのだ。
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
と思って後にくっついていくと(すんませんちょっと怪しいヤツでした)、30秒から1分に1回ほど発している様子。
日本の「火の用心」の掛け声のようなものかとも思ったが、足元に目を落として真っすぐに歩いていく姿からは、そういう目的性が感じられない。
目的なく声が出るのなら、それはチック症のようなものかもしれない。
と思った数分後、別の事例に遭遇。
今度は若い兄ちゃん。
ところで空気の濁り具合
割れた壺のようなものを持ち、肩には袋をかけた姿は仕事中というふうに見える。
これで「あああいっ」をやりながら歩くのはなぜだろう。
一日に5回のお祈りをするイスラム教徒は、私たちには想像できないほど心のなかが宗教的な空気で満たされているから、それと関係あるのかもしれない。
「祈れ」とか「神の声を聞け」といった自他への叱咤が湧きあがってきて、ふと声帯を震わせるのかもしれない。
と根拠なき仮説が立ったところで旅に出て、私たちはイスタンブールに着いた。
旧市街の狭い路地に宿をとり、数日を過ごした。
ある朝、路地を行く人の発する「あああいっ」が2階の窓をとおして聞こえてきた。
正確にいえば「うううえっ」みたいな感じだったような気がするが、おそらくバングラデシュと同じ理由による発声だろう。トルコも同じくイスラム圏だからな。
と勝手にどんどん説をかためる私。
「あああいっ」の理由をご存知の方がおられたら、ぜひご教示ねがいたし。
↓これがすごく励みになるのでポチしてやってくだしゃい!
にほんブログ村
アジア(海外生活・情報)ランキング
コメント