南アジア 過密と混濁の街から

バングラデシュの首都ダッカで考えたこと


わが家のロールスロイスについてしばらく前から気になっていたことがある。

クラクションがしょぼい。

経年劣化のせいで、タオルで何重にもくるんだような、くぐもった音しか出ないのだ。

ぶぶぅー...

こんな音量ではダッカの路上で生き残れない。続きを読む


食事やホテルでの体験は、たいていの先進国育ちの人間にとって「ギリギリのライン」だったと思うが、私よりも精神の逞しさをそなえる妻にとっては笑顔で乗り切ることのできる範囲だった。

だが、ひとたび村々に分け入れば事情は変わり、そこで目にしたもののなかには、心の傷になるような光景もあったようだ。

帰宅後、しばし土産話に花を咲かせたあと、「けっこうトラウマになったかも...」と表情を曇らせていた。
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今日ここに書くことは、主にバングラデシュの貧しさについてだが、この国を見くだす意図はない。

ここに見られる貧しさの大半は、ついひと昔前の日本にもあったからだ。一足先にそこから脱したからといってエラそうな顔をすることはできない。

妻は、父親の転勤に帯同して中東や南アジアに住み、貧しさゆえの理不尽を嫌というほど目にした経験から、貧困問題への複雑な思いを抱えている。


そんな妻が、バングラデシュ国内を旅した。続きを読む


星のやバリは、個人的には理想的なリゾートだが、内陸に位置するだけに賑やかな海辺の楽しみからは遠く、初めてバリに行く人には向かないかもしれない。

あくせく観光するのではない「二度目のバリ」を楽しむ隠れ家という感じかな。

そうかといってコテージにこもりきりではつまらないので、最寄の街ウブドへ出かけてみよう。食事やショッピングを楽しめる清里や軽井沢みたいなところで、「サルの聖地」もあってなかなか楽しかった。

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雨の朝、ドライバーのPさんと買い物に出かけた。

今週のダッカは、犠牲祭の休暇で里帰りする人の多いせいで開いている商店の数は知れており、買い物に最適なタイミングではない。

battery exchange (4)
    道は空いてるんだけどね~

だが我が家には来週まで待てない理由があった。
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それは午前3時半のことだった。

ブォォォォッ... という苦し気な鳴き声が3回続いたあと、静かになった。

喉をかき切られた牛の最期だった。

家畜をみずからの手で殺めることにより命のありがたみを感じる犠牲祭。荘厳なイベントの始まりである。

だが異教徒の私は、牛の声に目覚めたあとは胸が苦しくなり、眠るどころではなくなった。続きを読む


夜の静寂のおとずれとともに、悲し気なヤギの鳴き声が窓のむこうから聞こえてくるようになった。

おとといぐらいからのことである。

本日(8月11日)犠牲祭が始まったことと関係ありといってもピンとこない人はこちらをどうぞ。

あのとき家畜を屠るのは下町だと書いたが、大使館やガイジンどもの住居が建ちならぶ高級住宅街でも行われることが、このたびの鳴き声によって判明した。続きを読む

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